橿原市を練習拠点に活動する女子陸上クラブ「NARA-Xアスリーツ」(以下NARA-X)の移籍加入選手発表記者会見が11月1日に行われました。
新加入する下岡仁美(しもおかひとみ)選手は、今年、全日本実業団選手権10000メートル競歩で優勝を果たすなど、2028年ロサンゼルス五輪出場を狙える有力選手です。会見では、「まずは来年、東京で開催される世界陸上で代表に内定して、東京の地を日本代表のユニホームを着て歩くところをみなさまにお見せしたいと思います」と意気込みを語りました。
記者会見の内容
大阪府堺市出身の下岡選手は、奈良県でも初となるJOCオリンピック強化指定選手。2024年の日本ランキングは、競歩10000メートル、同5000メートルは共に2位。同20キロは6位です。同志社大学時代の2023年には、日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)の10000メートルで優勝し、学生チャンピオンに。今年は関西実業団選手権、全日本実業団選手権で優勝するなど、日本トップレベルの実績をもって、NARA-Xに加入しました。
クラブの大歳研悟(おおとしけんご)監督は、同志社大学の先輩という縁もあり、練習見学を経て加入した下岡選手。会見では、「大学の練習の雰囲気に凄く似ていて、自分にあっている練習環境だなと思いました」と親しみをもったことを告白。「競技活動だけでなく、それ以外での活動も通して、奈良全体を盛り上げたいなと思い移籍を決意しました」と、加入の理由を語ってくれました。
特にNARA-Xが、競技活動以外でも地域密着のクラブチームとして様々な活動を行っている点に注目したそうで、「競歩はマニアックであまり知られていない競技。まだまだ触れる機会が少ないと思うので、競歩の普及のために自分が何か出来ないかを考えていました」と、競技面以外での活動に意欲を見せました。
加入後は競技と両立して、奈良健康ランドで勤務する予定で、「奈良健康ランドが職場になるので、そこで競歩に触れてもらうイベントをしたり、健康ウォーキングとして一緒に歩きにいったり、そういうイベントをしたいと思っています」とのこと。今後は下岡選手の競技面以外での活動にも注目したいです。
当面は来年3月に行われる日本陸上競技選手権大会で、世界陸上への派遣標準記録を超える事を目標に、年明けからのレース出場を見据えているそうです。世界陸上、そして4年後の五輪へ、最後は「奈良県所属アスリート初の(陸上の)オリンピック選手になれるように頑張ります!」と、意気込みを語ってくれました。橿原から世界へと続く挑戦をカシューでも全力応援していきます!
「NARA-Xアスリーツ」とは
NARA-Xアスリーツは、奈良県を拠点とするクラブ型実業団の女子マラソンチーム。2017年10月1日に創部され、日本初の「クラブ型実業団」女子マラソンチームとして知られており、奈良マラソンなどでも活躍している。下岡選手はクラブとして初の競歩選手。練習拠点は橿原公苑陸上競技場。
会見にも出席した橿原市市議会の谷井宰議員は、「橿原公苑陸上競技場での練習では、市民ランナーの方に交じって練習されておられて、チームと地域の密着度は他にはないものだと思う。健康づくり、スポーツという面でもとてもいい活動をされている。もっと支援の輪が広がっていけばいいと思う」とNARA-Xへの期待を話してくださいました。
梅本タツヤ
奈良県のスポーツの面白さや奥深さを広く発信するべく活動している副業スポーツライター(普段はサラリーマン)。好きなスポーツは、球技(野球・サッカー・バスケ)、格闘技、モータースポーツなど。運動音痴なため得意なスポーツはなし。