サッカー天皇杯の奈良県代表を決める第29回奈良県サッカー選手権大会の決勝戦が2024年5月12日(日)、奈良県立橿原公苑陸上競技場にて開催され、橿原市を中心とした中南和をホームとする飛鳥FCが出場。Jリーグクラブである奈良クラブと対戦し、善戦するも惜しくも0-1で敗戦となりました。
試合展開
J1から見ると5部に相当する関西サッカーリーグで戦う飛鳥FCにとって、J3リーグに所属する奈良クラブは格上の相手です。その格上を相手に、試合開始直後から自陣に攻め込まれる展開が続く中、CBの大倉康輝選手を中心に選手たちは粘り強く守備に奔走。美濃部直彦監督も「相手をリスペクトしすぎずに思いきってプレーできた。狙い通りの展開だった」と語るように、奈良クラブにゴールを許さず、お互いにスコアレス(0-0)のまま前半を折り返しました。
しかし、後半立ち上がりの9分に、奈良クラブの下川陽太選手の鮮やかなドリブル突破からゴールを許してしまいます。1点を追う飛鳥はFWカメヤコウジ選手の強烈なミドルシュートなどで相手ゴールを脅かすなど反撃を試みましたが、結局奈良クラブのゴールを割ることは出来ずにタイムアップ。惜しくも勝利はなりませんでしたが、格上相手に善戦し、この先のリーグ戦へ収穫も多い試合となりました。
試合振り返り・各選手コメント
キャプテンの篠原和希選手は「自分たちのやりたいサッカーというのを格上の奈良クラブに恐れずに出していこうというのは言っていたので、それは最初からできたと思う。ゴール前のクオリティ、点を奪うところ、奪われない所が勝負を分けたかなと思います」と試合後に悔しそうに話してくれました。
この日は518人が観戦。数百人規模の奈良クラブサポーターの大合唱に対し、飛鳥FCサポーターも負けじと手拍子を送り、ピッチ外でも白熱した応援合戦が繰り広げられました。奈良クラブのOBで現在は飛鳥FCでプレーするベテランの志水克行選手も、「リーグ戦とはまた違ったいい雰囲気で、選手もモチベーション高く挑めたと思います。奈良クラブサポーターにも感謝しています」と、会場の雰囲気を喜んでいました。
関西リーグでは、開幕から2節を終えて勝利がありませんが、クラブが目標とする日本フットボールリーグ(JFL)昇格に向けて戦いは続きます。次節は5月18日に滋賀県守山市のビッグレイクにてレイジェンド滋賀と対戦。篠原選手は「まだまだ力不足のチームではありますが、昇格を目指して全力でやっていくので、引き続き応援よろしくお願いします」と意気込みを語ってくれました。
美濃部直彦監督 コメント
「内容的には悪くなかったと思う。(相手の)カテゴリーが上だからといってリスペクトし過ぎずに、チャレンジャーとしてのメンタリティで、思いきってやろうとは言っていた。最後のクロス、最後のシュートの精度を高められるかどうかが、結局社会人とプロの差だと思う。そこが出来れば、うちの選手でも数年後にJ3に行くことだって出来るということを試合後選手たちには話した。ライバルがいると地域のサッカーが盛り上がる。かつて率いた長野がそうだった。(飛鳥FCが)奈良クラブのライバルとなっていければ盛り上がると思うので、その為にも一つでもカテゴリーをあげられるように、JFL昇格を目指して頑張りたい。」
梅本タツヤ
奈良県のスポーツの面白さや奥深さを広く発信するべく活動している副業スポーツライター(普段はサラリーマン)。好きなスポーツは、球技(野球・サッカー・バスケ)、格闘技、モータースポーツなど。運動音痴なため得意なスポーツはなし。J3奈良クラブをはじめ、奈良を中心とした関西のスポーツを定点観測するブログ「スポーツプレスNARA」を運営中。Twitter(@SportspressNara)もやってます。