はじめに

皆さん、こんにちは。じわっと第三章までたどりつきました。
お元気ですか?私はバリ元気です。
元気モリモリで、次回の続き始めましょうか。



Say イェェェ~~~ス・・・



あら、飛鳥ちゃん、いきなり読者さんからのコメントに悪ノリしてくれてるん?
余計なものがココにありました。さ、じゃんじゃん始めましょう!



あ、あと、太安万侶は登場しないの?というご質問もいただきましたが、実は彼、日本書紀の方にも絡んではって、まぁまぁ忙しいらしいので出てくれないのですよ。



へぇ~、売れっ子なんですねぇ~



・・・・ チッ ・・・ さ、気を取り直していきましょ!
黄泉の国から



前回はこの世の始まりのお話で、イザナギ・イザナミが二人で国生みをなさいました。
それもひと段落したっぽいので、次は神々を生んでいかはるんです。
風の神や海、山、野の神と生んでいかはって、イザナミが火の神を生まはった時に大火傷しはっておかくれにならはったんよ。



亡くなったってこと?



そやね。それで、奥さんラブすぎたイザナギは嘆き悲しんで、その原因となった火の神を斬り殺してしまいはって、黄泉の国までイザナミの後を追いかけはります。



情熱ほとばしってる!今どきの夫たちに聞かせたいね。



そこはノーコメントやけど、イザナミ激ラブやったんですねぇ。
でも、イザナミは黄泉の国のご飯を食べちゃったので元の世界に戻れないんですよ。
けど、まだまだ国作りは完成していないし、イザナギは帰ってきてって追いかけてくるし・・・
そこでイザナミは悩んだ末に、「ちょっと黄泉の国の神と相談するので、待ってて。でも、その間、絶対にこっちを見たらアカンよ。ええか、絶対見たらアカンからね」ってイザナギに言わはります。



出た~~!絶対アカン、のやつ!!



これは、ホンマにアカン方やってん。
でも待ちくたびれたイザナギはとうとう・・・



ホンマにアカンやつやのに!!



愛しいイザナミの完全に変わり果てた姿にイザナギは「う~わ、最悪や・・・」とばかりに逃げだしました。
イザナギに気付いたイザナミは「見るなって言うたのに!!」とブチ切れ、女形の鬼たちをけしかけイザナギを捕まえようとします。



逃げるイザナギ、追うイザナミと女形の鬼たち。
必死で逃げるイザナギは、パニクった猫型ロボットが必死でいろんな道具をポケットから出す時のように、さまざまなアイテムを鬼たちに投げて時間を稼ごうとしますが、鬼たちは秒でクリアしてイザナギに詰んでいきます。
ギリギリのところで、黄泉の国の出入り口の坂の下までたどりつき、そこにあった桃の木から実をもぎとって鬼に投げつけたらクリーンヒット!
鬼たちは退散していきました。
桃、スゴっ!ということで、イザナギは大神実命(おほかむづみのみこと)という名前まで桃に授けはりました。



ちょっと古事記から脱線するけど、ほら、桃太郎も鬼退治するし、奈良市の春日大社さんの屋根には鬼瓦みたいに桃瓦があって魔除けになってるぐらい、桃って昔から魔除けのスーパーフルーツやったんよ。



へぇ~!そう言えば、子どもの頃、”あせも”に桃の葉ローション塗ってもらったなぁ。桃、美味しいし、魔除けやし、美肌やし、万能やん!



そうよ!しかも神様やしなぁ。



そして、あぁ名付けてる場合ちゃう、ということで、その坂の出入り口を大岩でふさいで、イザナミと決別することになりました。
するとイザナミが、「大好きなあなた!こんな仕打ちをするなら、私はあなたの民たちを一日千人こっちに連れてきてやるからね!」と捨て台詞。
するとイザナギも、「だったらこっちは千五百の新しい命を生みだすさ!」と応酬。



なんか…



まぁ、飛鳥ちゃん、皆まで言わんとってよ。これはいわば、愛ゆえのヤツなんよ・・・



千年以上も前から、愛が深ければ深いほど、男女のもつれも深くなるってことなのね。



なかなか大人なコメント、ありがとうやで。



その後、イザナギは黄泉の国のけがれを落とすために禊ぎ(みそぎ)をしはります。その途中で、左目を洗った時に、天照大御神(あまてらすおほみかみ)が生まれます。



あ!お伊勢さんの!!



その通り。伊勢神宮、皇大神宮(内宮)のご祭神で、天皇家のご先祖ですね。



次にイザナギが右目を洗わはったら月読命(つくよみのみこと)が生まれ、鼻を洗ったら建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)が生まれました。
生まれながらにして、それぞれ役目があって、アマテラスは高天原の統治、ツクヨミは夜の世界…



え?



あ、そういうんじゃなくて、夜の時間帯を治める、って感じかなぁ。
で、スサノヲは海原が担当となったのです。



へぇ~、神様も役割分担をしはるんやね。



そうやね。外国の一神教の神様って全知全能で一人で全部せなアカンし大変そうやけど、日本は多神教の国やん?神様方が何かを協力しあって成し遂げられたり、人間みたいに普通にブチ切れはったり。



イザナギとイザナミみたいに…。
そういう一面もあったりするのが、魅力でもあるような気がしてきた。
次回予告



ということで、今回も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
次回は、その人間臭さ?荒ぶる神について少し話してみましょう。



うわっ、どんなん!?気になる~!



それでは、皆さん、これから少しずつ暖かくなりますが、引き続き、手洗い・うがいを忘れずに、元気にお過ごしくださいね。



それでは、また来月、元気にお会いしましょう
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。