はじめに
皆さん、こんにちは。阿礼です。
東大寺ではお水取りが始まりましたね。
皆さん、こんにちは。
春もすぐそこ、という感じですね。
実は第十六代・仁徳天皇から下巻に突入していまして、本日はスーパーダイジェスト版で最後まで一気に飛ばして行こうと思っています。
突然のフィナーレやね。
本編
これから先の天皇さんも皆さん興味深い方々やねんけど、ダイジェスト版というタイトルの通り、私の推しテーマを古事記からのこぼれ話的にお話しようかと思います。
誰の話をしてくれるん?
第二十一代・雄略天皇の話やねん。
なんか怖い天皇っていう噂を聞いたけど
そやね。実の兄でもあった安康天皇が殺されたことで、別の兄たちに相談した時も、その兄たちが日和ったからってブチ切れて惨殺したり、かなり血塗られたエピソードの多いお方やね。
オホハツセワカタケ(ル)という名前で生涯を過ごされ、ヤマトタケルの荒れてはった頃との共通点もあるしなぁ。
ワカタケルって、どこかの古墳から出土した剣に刻まれていた名前やんな!
埼玉の稲荷山古墳やね。
埼玉で出土するってことは、そこまで雄略天皇の力が及んでいたって想像できるよね。
その一方で万葉集の巻頭歌(最初の歌)が雄略天皇の御製(ぎょせい)という話やねん。
剣に象徴されるようなイカツイ印象やけど、歌も作らはるんや。
雄略天皇の歌は古事記にも何首か載せさせてもらってるけど、万葉集の巻頭歌は、若い娘たちに声をかける歌やねん。
なんで大伴家持くんは万葉集を編集するとき、その歌を選びはったんやろなぁ?
え?なんでなん?
この問いには、絶対これ!という答えはないねん。
皆さんそれぞれ「なんでなん?」って思い巡らしたり調べたりして味わって欲しい余白部分なんよねぇ。
なるほどなー。それも古典文学の楽しみ方?
そんな気がする。
皆さんは、ご縁があってダイジェスト古事記と出会ってくれましたが、これからも多くの古典文学に出会って、さまざまな「なんでなん?」を見つけてください。
そしたら、その時代の歴史を紐解いて、そのエピソードが出てきた背景を調べてみると、自分なりの面白い考察ができるかも知れません。
その歴史って、だいたい奈良スタートやもんなぁ。
なんかワクワクする。
そやね。初代天皇の神武天皇は、橿原を宮に選ばはったんやもんなぁ。
そう!その話、私にはすごく強い意味を持つようになりました。
古事記は、この後、第三十三代・推古天皇という日本初の女性天皇で結びとさせてもらってるねん。
ちなみに、皆さんが大好きな聖徳太子は、推古天皇の二代前の用明天皇の御子「上宮之厩戸豊聡耳命」(カミツミヤノウマヤトノトヨトミミノミコト)(※ウエツミヤと読む場合もあり)として紹介させてもらったよ。
古事記が成立したのは奈良時代の元明天皇(げんめい)の時代と言われているし、女性の天皇で締められたのは何か意味があるのかも知れないね。
そういうところ、どんどん掘り下げて調べて、味わって、楽しんで欲しいなぁ。
フィナーレ
こんな風に楽しい時間もあっという間やで。
ホンマ、何も分かってない私が、阿礼さんのお陰で、古事記の有名エピソードに少し触れられて嬉しかったよ。
皆さん、全15回に渡る長期連載に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
また、何かのスペシャル回があれば、お会いしたいですね!
カシュー編集部に是非リクエストをお願いします!
本当に皆さん、長い間お付き合いいただき、ありがとうございました!
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。