【ダイジェスト古事記】第一章:古事記って何?

ダイジェスト古事記 第一章
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「ダイジェスト古事記」は、古事記を手掛けた「稗田阿礼」さんが(話す体で)古事記の内容をかいつまんで現代風にわかりやすく語ってくれる企画です。

目次

はじめに:企画紹介

はじめまして。大和郡山市出身の稗田阿礼(ひえだのあれ)と申します。
超人的な記憶力の持ち主として有名で、地元の大和郡山市稗田町には私を祀った神社があるぐらいすごいんです。自分で言うのもアレですけどね。(あ、自分の名前の阿礼とかけたんちゃいますヨ)

そんな天才だったものですから、天武天皇から命令をうけて、日本の各地に伝わった話を全て暗記して、太安万侶(おおのやすまろ)さんが私の語りを文字起こししてくれたのが「古事記」です。

日本がどうやって生まれたのか、日本の神さまや推古天皇までの天皇にまつわるエピソードを楽しい物語形式で紹介しているのだけど、これまた昔の堅苦しい話し方だったから、これから古事記の内容を少々かいつまんで、現代風に語ってみようと思います。なのでリラックスしながら聞いてください。

え?そもそも難しい話でしょ?って??たぶん、「あれ?その話、聞いたことあるかも」的な話、登場すると思いますよ。だって橿原市といえば、橿原神宮、神武天皇の本拠地ですやん?橿原スタートの天皇!その天皇家のお話がバンバン出てくる古事記な訳やし、ちょっと親近感を感じてもらえると嬉しいです。

日本書紀と古事記の違いって?

話の流れで、ついでに話しておきましょうかね。よく日本書紀と古事記ってセットで聞きません?どっちが「記」で、どっちが「紀」やねん!ってイラついてません?今回は記念すべき第一回目なので、自己紹介がてら、これら二つの違いについてちょっと話しておきましょう。

「日本書紀」は他国と対等に付き合っていく上で、「日本ってこんな国です」って紹介できるプロフィールが必要だ、という話になって、当時のインテリが使っていた漢文で書かれました。今で言う「外国人に渡す書類は英語で書いておく」的な発想ですね。
一方で「古事記」は国内向けなので、「夜露死苦」みたいに日本語(の音)を漢字に落とし込んで書くスタイル(※)も交えながら、「和化漢文」という形式で書かれています。要は、漢文調ではあるけれど日本書紀と比べて、だいぶ日本人に読みやすい体裁だった訳です。
※ このスタイルは「万葉集」という日本最古の歌集によく見られるので「万葉仮名」って呼ばれている仮名文字です。この仮名って、頑張ったら結構読めたりしてオモロいのよ。

「日本書紀」は皇族の方々やエリートが大所帯で40年ぐらいかけて30巻の超大作を完成させたんですが、「古事記」は私、稗田阿礼と太安万侶さんコンビが4カ月ぐらいで3巻にまとめてビシっと完成させました。
自分でいうのもアレですが、いついつ何があって…って年代順に漢文で書いてる「日本書紀」より、私のセンス抜群のストーリーテリングで構成されてる「古事記」のが人間味があってオモロいと思うんですけど、まぁ、用途が違うんで比べちゃ野暮ですかね。
「日本書紀」は対外的に使う日本の歴史書として、我らが「古事記」は国内向けに作られたんですもんね。

次回

という訳で、こんな風に古事記のメジャーなお話を連載していきます。次回は、天地開闢(てんちかいびゃく)、日本の始まりのお話です! それではこれから夜露死苦於根賀位詞摩須。(あ、すんません、つい万葉仮名みたいに書いちゃった…)

【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」

筆者

エルティグレ

奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。


ダイジェスト古事記 第一章

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