はじめに
皆さん、お寒うございます。阿礼です。
私が昔よく使ってた暦でも新年になりました。
またまた明けましておめでとうございます。
皆さん、二度目のおめでとうございます。飛鳥です。
とか言うてる間に、節分からの立春・・・
まだまだ寒いですし、春が待ち遠しいですね。
本編
今日はそんな皆さんに、心温まる聖帝の話をしましょうか。
聖帝(せいてい)?
といえば、南都というより南斗のサウ○ー…
飛鳥ちゃん、性別と年代によっては通じへんかも知れへんから、今日は私から言うとくけど、こちらの聖帝は「ひじりのみかど」って読むんよ。
聖帝(ひじりのみかど)って読み方もカッコいいなぁ。
どなたのお話?
第十六代・仁徳(にんとく)天皇の話やで。
え!堺にある巨大前方後円墳の?
って前回の予告で驚いてから、早く聞きたくてウズウズしててんけど。
仁徳天皇は、戦う女帝・神功皇后の御子で八幡神としても知られる応神(おうじん)天皇の御子やねん。
神功皇后の孫さんやね。
幼い頃から賢くてイケメンで、即位しはった後に、こんなエピソードがあるねん。
当時の天皇は、国見(くにみ)って言うて高いところに上って自国の様子を見たりしてはってんけど、ある日、仁徳天皇が山から国見してはったら、民家から煮炊きの煙が上がってへんやん!って気付かはったんよ。
ごはん作る時間やのに、煮炊き出来へんぐらい、民衆が貧しいってこと?
そういうこと。
それはアカン!ってなって、「(民衆が)こんなに苦しいのなら、貧しいのなら ・・・ 税などいらぬ!」って言うて、三年間税金無し!ってことにしはってん。
三年間の免税措置!すごっ!!
税収入がゼロになって、宮はボロボロになって雨漏りしていても我慢してはってんで。
三年経って国見したら、今度はしっかり煮炊きの煙が上がってて、また納税を義務化するようになってんけど、今度は民衆もしっかり力をつけてて、再び貧乏になることはなかってん。
めっちゃエェ話やん。マジ聖帝やん。
ホンマやで。
そやけどな、ちょっと何とも言えへんところもあるねん。
え?なになに?
実は、仁徳天皇の皇后さんって、かなりストロングスタイルでな。
仁徳天皇も女好きというか何というか・・・みたいなところがあって、いろいろエピソードあるねんけど、その中のひとつに、こんな話があるのよ。
皇后の石之日売(いわのひめ)が儀式に使う用の特別な葉っぱを取りに和歌山に出張してはる最中、仁徳天皇が別の姫とイチャイチャしてるのが発覚して、石之日売はブチ切れ、その大切な葉っぱを海にぶちまけはったんよ。
よっぽど腹立たはったんやな。
まあ、こういうのが何エピソードもあるし、とうとう今回の件で堪忍袋の緒が切れはったのか、石之日売は仁徳天皇が待ってる難波宮(なにわのみや)を通り過ぎて、そのまま川をさかのぼって京都の筒木(つつき)っていうところに身を寄せはるねん。
えーーー、仁徳天皇、ビックリやね。
和歌山から帰ってきたーって思ったら、素通りって。
いろんな人が取りなして、なんとか元サヤにはおさまったんやけど、かなりの大事件やったんよ。
めちゃくちゃ良い天皇かと思ったら、めっちゃゆるいところもあるんやね。
大阪の淀川周辺の大規模治水工事をしはったり、今でも残っているような業績をばんばん上げはったというホンマにすごい天皇なんよ。
なかなかの振り幅なのね。
要するに、聖帝ですわ。
次回予告
という訳で、この仁徳天皇から下つ巻に入っていまして、そろそろフィナーレの時間がやってきています。
次回は、スーパーダイジェストで最後までお届けしますので、どうぞよろしくお願いします。
とうとう、残すところ、あと少しですねー。
まだまだ寒い日が続きますが、どうぞ健康第一で、最終回までお付き合いをお願いします!
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。