はじめに
皆さん、新年明けましておめでとうございます。阿礼です。
おめでとうございます!飛鳥です。
本年も、ダイジェスト古事記を宜しくお願いいたします。
本編
さて、新年早々ですが、今日はすごく珍しい「戦う皇后さん」の話をするで。
どんな人なんやろ、気になる。
ヤマトタケルは天皇に即位しはらへんかったけど、その御子は仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)っていう天皇になってはって、その皇后さんが今回の主人公やねん。
お名前は?
神功皇后(じんぐうこうごう)っていわはって、仲哀天皇が崩御されてから次の応神天皇(おうじんてんのう)が即位されるまでの間、神功皇后が政治をしてはってんよ。
ちなみに、仲哀天皇と神功皇后の御子の応神天皇は、生まれた時に弓を射る時の肘当てみたいなのが腕に付いていたんやって。
もう既に武具がついていた、っていう感じ?
そう。なので、応神天皇は武神の八幡神としても有名やねん。
なるほど。じゃあ、お母さんの神功皇后も強そうやね。
バリ強やで。
仲哀天皇と神功皇后は西の方に遠征してはって、その先で神さまからのメッセージを受けはってんけど、仲哀天皇はそのメッセージを信じはらへんかってん。
そしたら、神さまは仲哀天皇に「お前なんかに天下を治められるか」ってブチ切れしはったのよ。
その後、仲哀天皇は気付いたら亡くなってはってん。
こわっ!
そうやねん。その時の人たちも驚き畏れ、殯(もがり)っていう弔いの儀式をしはって、穢れを祓う大がかりな儀式もして、さらに神さまからメッセージを受けようとしはってん。
そしたら、お腹の中にいる子が天下を治めるってメッセージを受けはったのよ。
お腹にいる子って、応神天皇のこと?
そう。だから、お腹の子を守りながら神功皇后は西の国の制圧に出はるねん。
それは大変や
でも、神さまのアドバイス通りにしてたら、新羅をさらっと降伏させられて、めでたし。
遠征の方は良かったんやけど、その帰国の時に、お腹にいた応神天皇が生まれそうにならはってなぁ。
今じゃ無いでしょ!ってタイミングやったから、神功皇后はその辺にあった大きな石をお腹にくくりつけて生れるのを遅らせはったんよ。
そんなこと出来るんや。
神功皇后やからなぁ。
それで九州までたどり着いて、ようやく応神天皇をご出産されたわけよ。
皆さん、この石は鎮懐石(ちんかいせき)といって、九州にはこの石を祀った八幡宮があるそうですよ。
そして、母子ともに倭に帰ってきてんけど、仲哀天皇が崩御されて「次の天皇は誰なのか」ってざわついてるから、どさくさに紛れて御子まで襲われたらアカンと思った神功皇后は、御子も亡くなった風を装って、建内宿禰(タケウチノスクネ)っていう忠臣に託して御子を逃がした上で、次の天皇の座を狙っていた人たち同士を戦い合わせて難を逃れはってん。
神功皇后と建内宿禰のコンビ最強やん。
そして軽嶋之明宮(かるしまのあきらのみや)で天下を治めることにしはってん。
この伝承地が、橿原市の大軽町にある春日神社やって言われてるねん。
え!近っ!冬休み中に行ってみよっと。
この辺りで中巻がおしまいです。
次回予告
次回からは下巻に入るよ。
応神天皇の御子、仁徳天皇のお話です。
あ!あの世界遺産にもなってる巨大前方後円墳の!!楽しみやん。
来月まで、お元気にお過ごしくださいね。
手洗い、うがい、適度な運動で、ご自愛ください!
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。