はじめに
皆さん、こんにちは。一ヶ月ぶりの阿礼です。
飛鳥です。暑さはピークを過ぎたようですが、皆さんお元気ですか?
GO EAST!
前回は、アマテラスの孫のニニギがコノハナノサクヤビメと結婚した話までしたやん?
うん。ルッキズム(外見至上主義)に一石を投じたよね
その美人のコノハナさんが産んだお子さんが何人かいてはるねんけど、その中で有名なんが、海幸彦と山幸彦で、その山幸彦と海の神の娘トヨタマビメが結婚して生まれたのがアマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズ。
名前、長っ!しかも、めっちゃダイジェストで進めるやん
話が止まらんから、この連載、全然話が進んでへんねん…
で、海幸彦と山幸彦のあたりをまるっと…
もし、この話も聞きたい!という方は、カシューまでリクエストくださいね。
飛鳥ちゃん、仕切ってくれてありがとう。
それにしても、その名前長い神さまってさぁ、山幸彦がお父さんで、海神の娘がお母さんやん?山と海の子って感じやね。
そやねー。
その子が結婚したのが、お母さんの妹タマヨリビメ。
おばさんと結婚したってこと?
そうやねん。お母さんが出産後いなくなって、おばさんに育てられてんけど、そのまま添い遂げたという次第やね。
そしたら、奥さんも海の神の娘ってことね
そういうこと!
で、そのウガヤフキアヘズとタマヨリビメとの間に出来た子ども達の中に、神武天皇がおられるねん。
わっ! やっと来たー!!
神武天皇は崩御されてからの名前で、元の名前は、カムヤマトイハレビコです。
もともと○○って名前で一生を過ごして、死後に「△△天皇」って諡(おくりな)をつけるんよね。
古事記からは少し話はそれるけど、この諡号(しごう)の制度は中国から輸入したもので、日本では奈良時代から始まったって言われてるねん。
そのイハレビコは兄のイツセと高千穂で国を治めてはってん。
曾祖父ちゃんのニニギが高千穂に天から降り立ったので、そのまま実家の高千穂で、という感じで。
でも、かなり日本の西側にいるし「兄ちゃん、もうちょっと東の方に行けへん?」って話になって、イツセも「せやな」って事で、高千穂を出発するのよ。
お兄ちゃんと二人やったら、何となく安心ね
途中で、大分や福岡、広島や岡山などで歓迎してもらって、歓迎されすぎて何年か住んじゃったりしながら、じわじわ東へ東へと進むうちに、大阪からさらに東へ…と進もうとしたら、「登美(とみ)」に住むナガスネビコの軍団に迎え撃たれてしまったんよ。
登美って、奈良市の登美ヶ丘とか?
そのあたりって言われているね。
その登美に住んでたナガスネビコたちは、「急によそから来て、『ここ治めるから』って言われても!」って思ったんやろうね。
全力で反抗して、兄のイツセに深手を負わせるねん。
えぇーーー!お兄ちゃんが!!
そのイツセが「我ら日の神(アマテラス)の子やのに、日に向かって戦い進もうとしてるのがアカンのちゃうん?」って言って、イハレビコも「確かに!ほな南から回ろう!」って迂回する事になるのよ。
「大阪から登美に」というのは東を向いている事になって、その東というのは太陽が昇ってくる方角やから、太陽神の子孫やのに太陽に向かって戦い挑んでるみたいでアカンやん!って話かー。
飛鳥ちゃん、いつも通り冴えてるね!その通り!
で、紀の国(和歌山県)の方まで回って…
大迂回やね。
そうやねん。
しかも、途中でイツセは傷が治らなくて死んじゃったり、熊野という村では熊に遭遇したり、散々な目に遭うねん。
けど、天から「この八咫烏(やたがらす)の後をついて行きなさい」って遣いを送ってもらって、吉野から宇陀、桜井などを経由して、どんどん進みます。
途中でウカシ兄弟やシキ兄弟などの反抗にもあうけど、最終的にはイハレビコが平定して、この橿原の地、白橿原宮(かしはらのみや)で国を治めるようにならはりました。
へぇ~~~!
神武天皇、かなり苦労して高千穂から来はってんねー。
そうやねん。そこからはずっと奈良でいろんなエピソードが起きるから、楽しみにしていてね。
次回予告
次回は?
次回は、ちょっと何代かの天皇の話を飛ばして、パンデミックで大変だった時の話をします。
いよいよダイジェストやねー。古代のパンデミック、どうやって終息したんやろ。楽しみ!
それでは、まだ少し残暑が続きますが、また来月、元気にお会いしましょう!!
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。