はじめに
皆さん、こんにちは。阿礼です。
ムシムシ&ジメジメの日々ですが、お元気ですか?
今年も暑くなるそうなので、小まめに水分補給を心がけてくださいね。
どうも、飛鳥です。
今週は奈良とご縁のあるお話だそうで楽しみにしていました!
微妙な気持ちになるかも知れへんけど、早速始めよかー。
国譲りのコト
国つ神としてオオクニヌシは私たちが住む地上の世界「葦原の中つ国(あしはらのなかつくに)」を頑張って治めてはってんけど、ある時、神々の住む「高天の原(たかまのはら)」を治めるアマテラスが、「葦原の中つ国って最高に尊い訳やし、うちの子が治めるべきよね、やっぱ」と仰って、天下り計画をスタートさせはるねん。
えー、オオクニヌシが頑張って仕上げた国を、天下りの神さまに譲るの?!
そうなるねん。
でも、オオクニヌシも何となく納得いかへんかったのか、何人か、いや何柱かの神々が交渉にくるねんけど、うまいこと丸めこんで、天下り計画は見事に難航するのよ。
オオクニヌシ頑張れー
ここでリーサルウェポン登場です。
最強ネゴシエーターのタケミカヅチにミッションが回っていきました。
オオクニヌシの本拠地である出雲にやってきたタケミカヅチは、自分の持ってた大剣を抜いて、切っ先の方を上に向けて地面にブッ刺して、その尖った先っちょにあぐらをかいて座ってオオクニヌシに話しかけはるねん。
え~~~・・・ 自分に刺さるやん!めっっちゃ圧やん!
ということで、今から私がタケミカヅチ、飛鳥ちゃんがオオクニヌシ、という配役でお届けします。
え、ちょ待ってよー。そんな剣先にあぐらの人と落ち着いて会話できへんわ・・・
ほな、いくで。飛鳥ちゃん、打ち合わせ通りやってや。
アマテラス大御神の仰せの通り、そもそもこの国は天つ神の御子が治めるべきやけど、どう思う?
難しい話っすね。もう息子に跡を継がせてるんで、息子が答えると思うんですけど、今ちょっと出掛けてまして・・・
わかった、ほな連れてきたるわ。
そりゃ、もう、どうぞどうぞ!!ほな、失礼します!
おい、オオクニヌシ、息子はOKみたいやないか。
いや、もう一人息子がいて、そっちが本命の跡継ぎなんですわ。
おれの国でごちゃごちゃ言うてんのは、どこのどいつや!力比べでヤったろかい!
力自慢の息子Bもタケミカヅチに秒でねじ伏せられ、(長野の)諏訪湖まで全力で逃げて行って、葦原の中つ国は天つ神の御子に差し上げますぅ~って言わはったらしい。
ちなみに、この息子B(タケミナカタ)はホンマめちゃくちゃ力持ちのタフガイやから、長野に移住してその地をしっかり治めて、諏訪大社のご祭神になってはるんやで。
こうやって、タケミカヅチのストロングスタイルな交渉術で、オオクニヌシは国譲りを決心しはるねん。
「でも!国は譲るけど、めっちゃ良い家建ててや!そこで大人しく鎮まってるから!!」ってお屋敷を建ててもらわはったのが出雲大社になったっていうお話です。
引退のエピソードがだいぶ切ないけど、めっちゃ良いお社で祀ってもらってはるから、若かりし頃の得意ジャンルやった縁結びパワーを今でも機嫌良くご利益にして分けてくれはるんかなぁ。
そして、今回登場された超絶ネゴシエーターのタケミカヅチは、春日大社のご祭神なのよ。
春日大社には四柱の神さまがいてはるねんけど、第一殿の神さまがタケミカヅチやねん。
へぇ~~~。だからかなぁ?戦国武将もたくさん灯籠を寄進してはったりするよね。
ご本殿付近には有名な武将の釣燈籠がたくさんあるので、とても興味深いです。
次回予告
ということで、次回はいよいよ”天下り”です!
大きな組織を引退したら、比較的コンパクトな組織に異動して幅を利かせる・・・的なイメージの”天下り”の語源になったエピソードがどんなものだったのか… ちょっと楽しみ♪
【ダイジェスト古事記 他の話はこちら】
第一章:古事記って何?
第二章:天地開闢(てんちかいびゃく)
第三章:黄泉の国から
第四章:高天原の事情
第五章:地上の星
第六章:愛と嫉妬の物語
第七章:国譲りのコト
第八章:天孫降臨
第九章:GO EAST!
第十章:古代パンデミック
第十一章:兄弟の絆と不老不死の実
第十二章:ヤマトタケル伝説(ダイジェスト)
第十三章:戦う女帝
第十四章:愛ゆえに税を捨てた帝
第十五章:スーパーダイジェストフィナーレ
【特別企画】奈良クラブ・可児選手に聞く「古事記の魅力とは」
エルティグレ
奈良県生まれ、奈良県育ち。就職を機に奈良を出て大阪から東京へと移り住んでいるうちに原点回帰の大Uターン移住。奈良を離れる時は特に何も思っていなかった奈良の魅力にどんどんハマり、社寺のこと、神道や仏教のこと、伝統行事や文化のこと、古事記や日本書紀、いろいろ勉強するうちにガイドまでやるようになった覆面ライター。奈良まほろば検定1級。奈良県地域通訳案内士。趣味はラーメンとプロレス。